EUに離脱期限の延期を申し込むかが焦点!今週のポンド相場見通し&トレード戦略まとめ

EUに離脱期限の延期を申し込むかが焦点!今週のポンド相場見通し&トレード戦略まとめ

今週のポンド相場の展望について解説!まぁここ最近はポンド中心にトレードしていることもあり、どうしても偏りがちですが、どうぞよろしくお願いします。まぁドル円、ユーロ相場については、また改めてアップしていきますので、ご理解いただければと思います

ポンドはブレグジット問題で動いていきますから、先週決まったこと、そして今週決まっていくことについてまとめつつ、ポンド相場を考えていきましょう。

先週の動向:Indicative votesと実質3回目の本採決が行われた結果…

先週は2つの大きな採決がありました。1つはIndicative votes(IV:示唆的投票)と呼ばれる、複数案に対する人気投票のようなものですね。複数の案を一気に採決することができるので、どれが人気があるか一目で分かります

Indicative votesの結果(日本時間3月28日04:00実施)

B.ノーディール(賛成140・反対400)
→4月12日に合意なき離脱
D.コモンマーケット2.0(賛成188・反対283)
→ノルウェー・プラス案、欧州経済地域(EEA)と欧州自由貿易連合(EFTA)への再加盟を求める
H.EEA/EFTAは再加盟、関税同盟には参加しない(賛成65・反対377)
→モノ・ヒト・サービス・資本の移動の自由を保障する関税同盟には参加しないということ
J.関税同盟(賛成264・反対272)
→恒久的に関税同盟に残留し続ける
K.労働党プラン(賛成237・反対307)
→新たな関税同盟を結ぶ的なやつ
L.リスボン条約第50条の取り消し(賛成184・反対293)
→合意なき離脱の2日前に確認のための投票をする、否決された場合は第50条を取り消してブレグジットをキャンセルする
M.確認投票(賛成268・反対295)
→議会で合意したブレグジット協定案を承認するために国民投票をする
O.Contingent preferential arrangements(賛成139・反対422)
→モルトハウス妥協案

賛成票が最も多かったのはMの確認投票という名の国民投票をするプランですね・・・今更こんなことをして何になるの。。。とは思いましたが、国民投票で今の案にNoが突き付けられれば、EUとの再交渉はしやすくなるのかなと。一応は民意ですからね。

また、最も賛成と反対の票差が小さかったのはJの恒久的に関税同盟に残留するというプラン。モノ・ヒト・サービス・資本の移動の自由が前提の関税同盟を維持するのであれば混乱は少ないでしょう。一方で、離脱強硬派はなんのためのブレグジットだと嫌気します

まぁ上記のIndicative votesにおける政党別の投票結果を見る限り、SNP(スコットランド国民党)が関税同盟残留については棄権していますから、これが賛成に回れば楽々過半数となるため、関税同盟残留という悲惨な選択肢が現実のものになりそうではあったんですけどね(とはいえ、SNPはソフトブレグジットを目指しつつも恒久的な関税同盟残留には否定的)。

なので、下手をすると離脱強硬派にとっては最悪の結果、つまり恒久的にEUから実質的に離脱できないような状況になりかねないということで、DUP(民主統一党)の態度が軟化することが期待されていました

しかしながら、DUPは今のEUとの協定案については反対し続けると改めて表明し、ポンドが売られることになりましたし、今週も上値を重くする要因となるのかなといった感があります。

それから、先週はWithdrawal Agreement(WA:離脱契約)の採決もありました。これはEUと合意したブレグジット協定案の一部(本体)で、ブレグジットする際の契約内容が書かれたものです

バーコウ下院議長が同じ内容、ないしは実質的に同じ中身の採決を繰り返し行うことはできないとし、第3回目の本採決(ブレグジット協定案の是非を問う投票)が危ぶまれていたため、政府が協定案を2つのパートに分けて採決するという荒技に出ました。

兎にも角にも、実質的に第3回目の本採決が行われ、しかも前日にメイ首相が無事にEUを離脱することができれば辞任するとクビを差し出したことで保守党議員の多くが賛成に回ることが期待されましたが、結果として賛成286票・反対344票の58票差で否決となりました。

第2回目の149票差から比べると大幅に差は詰まっているんですけどね。しかも、実は保守党からは34人もの造反が出ています。したがって、この34人の離脱強硬派らを説得することができれば可決の道が開かれることに

このように最悪というほどの結果ではないですが、WA採決が否決されたことで5月22日までの離脱期限延長というのはなくなり、4月12日に区切りを迎えることになったため、ポンドが押し下げられてしまったというのが先週の流れです。

今週の展望:週明けに再度Indicative votes!過半数を超える案が出るか?

週明けの4月1日に第2回目のIndicative votes(IV)が行われることが決定しています。さらに3日の水曜日にも第3回目のIVがあるかもしれない

まず注目されるのは過半数を超える案が出てくるかどうかということですね。過半数を超える案が出てくれば、それを詰めて議題にかけて法的拘束力を伴う案として成立させていくことになるでしょう。

ででで、読者の方が気になっているのは、そもそもどんな案があるのか、そして、どんな案が過半数を超えるのか、また、どの案が過半数を超えるとポンド高になるのかポンド安になるのかということでしょうが、おそらく内容としては複合案になるため、これ、という案と値動きパターンを示すのは難しいのが現実です

例えば、EUに長期の延長を申し込み+解散総選挙、あるいは、長期延長申し込み+コモンマーケット2.0みたいな案になることが想定されます。

月曜日に過半数を超える妥協案を見いだすことができなければ、もっと複雑に組み合わせた案で過半数を取りに行くという流れも考えられるため、相当グチャグチャした複雑な中身になってしまうこともあり得るでしょう

そして、中身が複雑になればなるほどリスクを伴うことになります。なぜなら、仮に方向性が決まったとしても、細かい条件・条約を成立させる過程で、また揉めるからですね。

まさに、考えれば考えるほどカオスな状況・・・それでも、【離脱期限の長期延長申し込み】というオプションが過半数を超えるのであれば、まずは目先の合意なき離脱リスクが大きく低下するため、ポンドは一旦買い戻されることでしょう

まぁ全ての可能性が残るものの、とりあえず離脱期限の長期延長というオプションが選ばれるパターンが可能性としては最も高いように思いますけどね。

現状では、先週僅差で否決された恒久的な関税同盟残留といったプランを中心に、解散総選挙などなど、全ての可能性が残っています。安定的に過半数を超える案が見つからなかった場合、EUに長期離脱延期を申し込みつつ、メイ首相が解散総選挙を選択するのではといった指摘もあります

残念ながら、リスボン条約50条を撤回してブレグジットそのものを取り消すという案は、流石に合意なき離脱を避けるための最終手段という認識で、可能性としては低そうです。

というわけで、まずはEUに離脱期限の長期延期を申し込むというオプションが成立するかどうかに注目しつつ、相場を追いかけて行くしかないのでしょう

そして、このオプションが絡まず、恒久的な関税同盟残留といったプランが一人歩きするようだと、やはりどこかで空中分解して合意なき離脱へまっしぐら・・・というリスクは警戒しなければならないでしょう。

ポンド相場:長期離脱期限の延長なら、とりあえず大崩れはなさそうか…

過半数を超える案が出てこなくて何も決まらないといった最悪の状況になるとヤバいですけどねw とりあえず、4月10日の臨時EU首脳会議へ向けて、離脱期限延長の申し込みという方向性だけは打ち出して欲しいところ

今週のブレグジット関連の日程

4月1日:英議会でIndicative votes(示唆的投票)
2日:バラッカー愛首相、パリでマクロン仏大統領とブレグジットについて会談
4日:メルケル独首相、アイルランドのダブリンへ
10日:臨時EU首脳会議
12日:今後の方針を示せなければ合意なき離脱へ?

まぁ日程を見ると、2日に行われるバラッカー愛首相とマクロン仏大統領の会談結果が気になるというか、どっちも英国に対して厳しいコメントを繰り返しているだけに、ここで発表される声明がポンド安を加速させる可能性は割とありそうなので注意が必要です。

なので、1日に行われるIVの結果をまずは注目しつつ、今週はEU関係者の動向にも目を向けておきたいところでしょう

ポンドドル(日足)のチャート:外為どっとコム

ポンドドルは200日移動平均線(1.29781ドル)で見事にストップ。まぁ1.30ドルラインといった大台の節目もありますし、一目均衡表の雲・上限(1.29682ドル)も支えとなりそう。

今週は、この一目均衡表の雲がせり上がってくるので、これを支えに上昇できるかどうか注目、雲入り・雲抜けはトレンド転換のサインと言われますからね。2日は1.30ドル台半ば、3〜4日には1.31ドル台に乗せてくることになりますから、ここを維持できるかどうかといったところ。

まぁ1日のIVで早々に長期離脱期限の延期申し入れへという方向が見えてくるなら、まず大崩れはないように思いますが、次の方向性が見えてこないと200日線を割り込んで89日移動平均線(1.29270ドル)などを試して行くパターンも考えられますので最大限警戒しておきましょう。

上値に関しては、1.32ドル台は重そうですね。なので、トレード戦略的には200日線を損切りにおいて軽く買いつつ、1.31ドル台ミドルまで戻してくれば、一旦利食いして様子見でしょう。引っ張っても1.32ドル乗せがせいぜいでしょう。

ポンドドル(日足)のチャート:外為どっとコム

ポンド円は悩ましくなってしまいました。ドル円の押し上げで底割れは回避していますが、このままドル円の上昇も続くとは思えずですからね。先週はドル円の反発も期待して上値余地の大きかったポン円ロングを推奨していましたが、今週は厳しそうですね。

日足ベースで見て144.00円近辺はかなり底堅いサポートゾーンとなっていますが、円高によって、機能していたボリバン−2σ(143.819円)を割り込むと89日移動平均線(143.255円)ぐらいはあっさり試していきそうな状況。そうなると、最悪沼ですからね。

なので、ポン円は今週は一旦様子見でしょう。ドル円次第ではありますが、上値も相当重いですから、反落する場面にポンド安が底抜け・・・というパターンで捕まると最悪ですからね。

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