トルコリラが急落したのはなぜか?背景と理由を詳しく解説

トルコリラが急落したのはなぜか?背景と理由を詳しく解説

FXのスワップ運用で人気のトルコリラは、2018年8月に大きな急落がありました。現在は収束し、落ち着きを取り戻していますが、この急落の影響は多くの国々に波及しました。

新興国のアルゼンチンは5%緊急利上げをして政策金利を年45%にしました。

このトルコリラの急落の影響は先進国にも及び、「トルコリラショック」と呼ばれるほど世界経済を揺るがす大きな出来事になりました。

この記事ではトルコリラがどうして急落したのかを3つの理由にまとめ、詳しく解説します。

後半はトルコリラの今後の見通しについて紹介しますので、トルコリラへ投資を考えているまたは投資中の方は、是非今後の参考にしてください。

【 トルコリラって金利が高いから気になってたんだ、今後はどうなるんだろう? 】

【 そうですね。まずは2018年にどうして急落したのか、そこから知っていきましょう 】

トルコリラが急落した3つの理由

  1. エルドアン大統領の強権政治による政情不安
  2. 対外債務の増加
  3. アメリカとトルコの対立

1 エルドアン大統領の強権政治による政情不安

1のエルドアン大統領の強権政治による政情不安ですが、エルドアン大統領が大統領権限を強化して、独裁色を強めて国内外の問題解決に当たり、それに軍部が危機感を感じて、クーデター未遂を起こしました。

2クーデターは鎮圧されましたが、依然エルドアン大統領の辞任を求める声は大きく、政情不安はまだ解決の目途が立っていません

2 対外債務の増加

2の対外債務の増加ですが、トルコは貿易収支も経常収支も赤字で、対外債務は増加傾向です。対外債務のほとんどが外貨建てで、トルコリラが下落すれば返済額が増加になり、返済不能になる恐れがあります。

アメリカからの経済制裁でトルコがデフォルト(債務不履行)になると恐れられて、トルコリラが急落しました。

3 アメリカとトルコの対立

3のアメリカとトルコが対立ですが、アメリカ人牧師がトルコに拘束されたのが対立の原因です。

拘束の理由は、アメリカ人牧師がトルコで起きたエルドアン大統領を暗殺しようとしたクーデター未遂事件に関与していたのが発覚したからでした。

すぐさまエルドアン大統領が強権を発動して、トルコ警察がアメリカ人牧師の拘束を行います。この行動にアメリカのトランプ大統領が、人権侵害だとトルコ側にアメリカ人牧師の即時解放を要求しました。

しかしエルドアン大統領が拒絶すると、すぐさまトルコに対して、トルコから輸入する鉄鋼製品とアルミ製品の関税を2倍にすると表明したことにより、トルコ経済に関しての不安が一気に拡大しトルコリラが急落しました。

トランプ大統領の経済制裁がトルコ経済に与える影響

アメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師は普段からクルド人の武装組織であるクルディスタン労働者党を支援しており、クーデター未遂事件に関与したとされて、拘束されました。

このトルコの行為にトランプ大統領の支持団体がアメリカ人牧師の解放をトランプ大統領に訴えたことで、トランプ大統領はエルドアン大統領に牧師の即時解放を求めます。

これに対して普段からクルド人の武装組織に悩まされているエルドアン大統領は、武装組織を支援している牧師を拘束から解き放つのを拒否して、トランプ大統領の要求を拒絶しました。

トランプ大統領はトルコとの関係を悪化させたくはないが、支持団体からの要請だからとトルコに圧力をかけるために、「アメリカがトルコから輸入している鉄鋼製品とアルミ製品の関税を2倍にする」とトルコにアメリカ人牧師を解放するよう圧力をかけました。

この経済制裁がトルコ経済にどのような影響を与えるかですが、

  1. 輸出減でトルコ経済が不況になる
  2. 貿易赤字拡大で対外債務が増加する

輸出減でトルコ企業の経済活動が停滞することで、トルコ経済が不況になります。不況になればエルドアン大統領の支持率が低下して、政情不安が拡大することが懸念されます。また、トルコの中央銀行が景気回復のために利下げに踏み切ることになるでしょう。

次に、貿易赤字拡大で外貨不足になり対外債務の返済ができなくなります

貿易赤字拡大で、外貨を獲得するどころか輸入品の代金を支払うために借り入れで資金を調達する額が増えて、対外債務が増加します。

対外債務が増加すれば今度は返済が厳しくなり、トルコリラ安になると返済額増加というリスクが出てきます。

経済制裁が無くてもトルコリラは急落していた?

経済制裁が無くても不安定なトルコ経済

  • 金利が上がらないことによる国内物価の上昇
  • シリア内戦による難民の流入
  • トルコ国内でのテロ活動が活発
  • 国内が不安定な状態で失業率が高い

アメリカ、トランプ大統領からの経済制裁がトルコリラの急落の引き金になったと話をしましたが、経済制裁が無くてもいずれトルコリラは急落していたと考える向きもあります。

トルコはインフレがひどくトルコの中央銀行は物価上昇を抑えるために政策金利を引き上げる予定でしたが、エルドアン大統領が就任後は、金利引き上げは経済が停滞する!と断固反対して、中央銀行に金利を引き上げないように圧力をかけていました。

金利が上がらないことに失望した投資家たちが、トルコリラを売ることでトルコリラ安が進み、さらなる国内物価の上昇という悪循環に陥っていました。

対外的にもシリア内戦により、シリアからの難民がトルコに流入すると、シリア系クルド人難民がクルド人武装組織と合流して、武装組織の勢力拡大やイスラム国と対立するなど、トルコ国内でのテロ活動も活発になりました。

このように国内が不安定な状態である上に失業率も高いので、ギリシャのように返済不能になるのではないか、という意見が広がったのです。

トルコリラの今後の見通し

ではトルコリラは今後どうなるのでしょうか?

  • 対米関係は一旦収束
  • シリア内戦の規模縮小
  • ロシアに歩み寄りの姿勢⇒対米関係に影響が出てくる可能性
  • 対外債務は増加傾向

政治面では、対立の原因となったアメリカ人牧師をトルコが解放したので、アメリカはもう経済制裁をする必要はなくなり、対米関係は一旦落ち着きをみせました。

イスラム国も壊滅状態で、シリア内戦も規模が縮小して、難民の流入も減少しています。急落の引き金となる大きな事件は起きそうになく、しばらく堅調に推移すると予想されています。

しかし、トルコ側がアメリカの制止を振り切って、ロシアから最新鋭地対空ミサイルを購入すると決めたり、トルコとロシア両国を結ぶガスパイプラインが完成するなど、関係悪化の状態にあったロシアと歩み寄りを見せています。この状況が続くと、トルコとアメリカの関係が今後どうなるかわからず、火種となる可能性もあります。

経済面ではトルコの中央銀行が金利引き下げを行わずに、金融引き締めの姿勢を明確にしていますが、トルコ経済の減速が始まっていて、いつ利下げに踏み切るかこちらもわからない状態です。

対外債務も増加傾向にあり、正直トルコリラがまた急落する可能は否定できない状況ですので、情報を注視していく必要があるでしょう。

トルコリラの今後の見通しについては、こちらの記事でも紹介していますので是非ご一読ください。

【おすすめ】 もっとトルコリラについて知りたいならこちら

複数アナリストの見解からみる2019年トルコリラの見通し | 秘密の情報局(FX版)

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なおこちらの内容はhttps://www.projectcairo.org/を参考にしております

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